その脇汗、気になりませんか?
薬剤師解説
皆さん、こんにちは。当院薬剤師の下郷杏南です。
10月に入りましたが、まだまだ日中は暑い日が続いていますね。
朝晩は涼しくなっていますが、ジャケットを脱いだYシャツやブラウスに汗染みができるという経験はありませんか?
今回は、原発性腋窩多汗症に悩まれている方へ向けて、保険適応となった薬「エクロックゲル」についてご紹介します。
原発性腋窩多汗症とは?
原発性腋窩多汗症とは、特に腋の下に多量の汗をかく状態を指します。
多汗症による悩み(汗の量が多い、わきのにおいが気になる、緊張すると発汗する、衣服に汗地味ができる)は、日常生活や仕事、時には人間関係に影響を及ぼすことがあります。
エクロックゲル5%とは?
エクロックゲル5%(有効成分: ソフピロニウム臭化物)は、腋窩の汗を抑えるために開発された外用薬です。この薬は、交感神経から出るアセチルコリンという物質がエクリン汗腺の受容体に結合するのを阻止し汗の分泌を減少させる効果があります。
使用方法
エクロックゲルは、1日1回、清潔な腋の下に塗布します。塗布後、しばらく乾かしてから衣服を着用してください。
ゲルタイプなので、簡単に塗ることができます。
保険適用の条件
エクロックゲルは、「原発性腋窩多汗症」に対して保険が適用されます。
シャツに汗染みができるなど、日常生活に支障をきたすほど多量のわきの汗が、明らかな原因がないまま6か月以上みられ、
以下の6症状のうち2項目以上に当てはまる場合に「原発性腋窩多汗症」と診断されます。
・症状が最初に出たのが25歳以下であること
・左右両方で同じように発汗がみられること
・睡眠は発汗が止まっていること
・1週間に1回以上多汗の症状がでること
・家族に同じ疾患の患者さんがいること
・わき汗によって日常に支障をきたすこと
副作用について
エクロックゲルは一般的には副作用があまり起こりませんが、かゆみや赤みが現れることがあります。
もし、症状が強く出た場合は、医師にご相談ください。
まとめ
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症の治療において有効な外用薬です。
個人的には夏場だけではなく冬場に洗濯のしにくいニットやスーツ等の衣類を守るためにも有効な手段です。
過剰な汗でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。