コラム

胃の不調が続いている…「機能性ディスペプシア」かも?

ドクター解説

「最近、胃がもたれる」「少し食べてお腹いっぱいになる」そんな胃の不調が続いていませんか?
胃カメラや他の検査をしても異常が起こらない場合、それは機能性ディスペプシア( FD)ないかもしれません。

今回は、この病気の特徴や原因、治療法についてわかりやすく説明します。


機能性ディスペプシアってどんな病気?

機能性ディスペプシアは、胃みぞおちに不快感や痛みなどの症状が続く病気です。
なお、検査をしても潰瘍やがんといった異常が起こらないのが特徴です。

この病気は命に関わるものではありませんが、慢性的な症状が生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要です。


このような症状があると注意!

次のような症状が続く場合、機能性ディスペプシアの可能性があります

  • 胃もたれ感:食後に胃が重い
  • 初期満腹感:少し食べたでもお腹がいっぱいになる
  • みぞおちの痛み:胃のあたりが痛くなる
  • みぞおちあたりの灼熱感:胸やけ、酸っぱいものが上がってくる

これらの症状は毎日続く場合もあれば、時々現れる場合もあります。


なぜ起こるの

機能性ディスペプシアのはっきりした原因はわかっていませんが、次のような懸念が関係していると考えられています:

  • 胃の運動の低下:食べたものが胃から腸へスムーズに流れない
  • 胃や腸が敏感
  • ストレスや心理的懸念:不安や緊張
  • 胃酸の分泌異常:胃酸の分泌が多い
  • ピロリ菌感染

診断方法

診断では、まず他の病気を評価することが重要です。以下の検査を行い、胃潰瘍や胃がんなどがないか確認します:

  • 胃カメラ(内視鏡検査)
  • 必要に応じてピロリ菌検査
  • 血液検査や超音波検査

これらの検査で特に異常が無い場合、「機能性ディスペプシア」と診断されることが一般的です。


治療と対策

機能性ディスペプシアの治療は、主に症状を改善することを目的に行います。

1. 薬を使った治療

  • 胃酸抑える薬
  • 胃の動きを助ける薬
  • 漢方薬
  • 抗うつ薬や抗不安薬

2. 生活習慣の見直し

  • 規則正しい食生活:ゆっく食べる、一回の食事量を減らす
  • 刺激の控え:カフェイン、アルコールなど
  • ストレス管理:リラックスできる時間を作る
  • 適度な運動

胃の健康を重視

機能性ディスペプシアは、適切な治療や生活習慣の改善で症状が和らぐことが多い病気です。
胃の不調が続いている場合は、我慢せずに医師に相談してください。アドバイスや治療を受けることができます。


当院では木曜日を除く平日午後(15-16時)に機能性胃腸症の専門外来を設けています。
24時間WEB予約、お電話(052-991-1855  木曜日を除く平日13-15時)でご予約を承っております。

来院時マスク着用のお願い

発熱やのどの痛みなど、かぜ症状がある場合は来院時マスクの着用をお願いします。