コラム

ピロリ菌は治療して終わりではないんです

ドクター解説

ヘリコバクターピロリ菌とは?

ヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)は、胃の中に生息する細菌で、慢性的な胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となります。また、ピロリ菌感染は胃がんの主要なリスクファクターの一つとされています。感染が長期間続くと、胃の粘膜に炎症が起こり、やがては胃がんに発展する可能性があります。

除菌治療の重要性

ピロリ菌の感染が確認された場合、抗生物質とプロトンポンプ阻害薬を用いた除菌治療が行われます。この治療により、ピロリ菌を胃から排除することができます。除菌治療は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を防ぎ、さらに胃がんのリスクを大幅に低減することができます。

除菌後の胃がんリスク

ピロリ菌の除菌に成功した場合でも、胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。特に、長期間感染していた場合や、除菌治療が遅れた場合は、既に胃の粘膜に前癌状態(腺腫や異形成など)が残っていることがあります。したがって、除菌後も定期的なフォローアップが必要です。

定期的な胃カメラ検査の重要性

除菌後も胃がんのリスクを低減するためには、定期的な胃カメラ検査が重要です。以下の理由から、定期的な検査が推奨されます。

早期発見

胃がんは早期に発見されれば治療の成功率が高くなります。定期的な胃カメラ検査により、初期の異常を見逃さずに発見することが可能です。

前癌病変の監視

除菌後も胃粘膜に異常が残っている場合があるため、これらの変化を定期的に観察することが重要です。

安心感の提供

定期的な検査により、健康状態を確認できるため、患者さんに安心感を提供することができます。

検査頻度の目安

除菌後のフォローアップは、個々のリスクに応じて異なりますが、一般的には以下のような頻度が推奨されます。

• 初回検査
除菌後1年以内に胃カメラ検査を行います。

• その後の検査
特に異常がなければ、2〜3年ごとに検査を行います。前癌状態が確認された場合は、医師の指示に従い、より頻繁に検査を受けることが必要です。

まとめ

ピロリ菌の除菌治療は、胃がんのリスクを低減するために非常に効果的ですが、除菌後も定期的な胃カメラ検査が必要です。早期発見と前癌状態の監視のために、検査を定期的に受けることで、胃がんの予防・早期治療に努めましょう。健康な胃を保つために、定期的なフォローアップを怠らず、医師の指示に従って検査を受けるようにしましょう。

当クリニックでは、地域の皆さまの健康を守るため、ピロリ菌除菌後のフォローアップとして定期的な胃カメラ検査を積極的に推奨しています。胃がんの早期発見・早期治療のために、ぜひ定期的な検査を受けていただくようお願いいたします。健康な生活を維持するために、私たちと一緒に予防に努めましょう。

健康維持のための定期検査は、安心と安全を提供し、地域全体の健康レベルを向上させる重要な手段です。お困りのことがあれば、当院に一度ご相談ください。

来院時マスク着用のお願い

発熱やのどの痛みなど、かぜ症状がある場合は来院時マスクの着用をお願いします。