コラム

冬に流行するノロウイルス

ドクター解説

〜症状・感染経路・予防方法・当院での対応〜

(みずの内科内視鏡クリニック|名古屋市北区)

ノロウイルスは、冬に特に流行する胃腸炎の原因ウイルスです。
突然の嘔吐、下痢、腹痛、軽い発熱などが見られ、家庭内や学校・職場で広がりやすい特徴があります。
症状がみられる際は、早めの対応が大切です。


ノロウイルスの主な感染経路

牡蠣(カキ)などの二枚貝による感染

ノロウイルスは海水中に存在する場合があり、牡蠣は体内にウイルスを蓄積しやすいとされています。
そのため 冬季の生牡蠣の摂取が感染の原因となることがあります。

生食用と加熱用の牡蠣の違い

  • 生食用牡蠣:清浄な海域産で浄化処理がされていますが、ノロウイルスが完全にゼロというわけではありません。

  • 加熱用牡蠣:生食用より基準が緩く、浄化処理も行われません。中心温度 85〜90℃で90秒以上の加熱が推奨されています。

 家庭内感染

嘔吐物や便を介した感染や、調理者が感染している場合の食事を通した感染も多いとされています。
当院では、最近の食事内容や家族の体調などの問診を重視しています。


ノロウイルスの検査について(保険適用)

ノロウイルスの迅速検査は、
保険適用が 3歳未満 または 65歳以上 に限られています。

そのため、当院では 保険診療としてのノロウイルス検査は実施していません。
ただし、症状に基づき診察を行い、必要な治療や注意点をお伝えしています。


 ノロウイルスの治療

 水分補給が重要

脱水にならないよう、経口補水液などで少量ずつこまめに補給します。

下痢止めは原則使用しません

下痢はウイルスを体外に排出する反応のため、
無理に止めることで回復が遅れる可能性があり、当院では原則として下痢止めは使用していません。

 症状に応じた対症療法

吐き気止めなど、診察のうえで必要な治療を行います。


消毒に次亜塩素酸(漂白剤)が有効な理由

ノロウイルスはアルコールに強い性質があります。
一方、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)は、ウイルスの外側のたんぱく質を破壊し、不活化できるため有効とされています。

 家庭での使用の目安

  • 生活環境の消毒:0.1%(1000ppm)

  • 嘔吐物や便の処理:0.5%(5000ppm)

  • 接触時間:数分(5分程度)
    ※使用する漂白剤の記載や自治体の案内に従ってください。


感染予防のポイント

  • 石けんで30秒以上の手洗い

  • 嘔吐物・便の処理は手袋+次亜塩素酸

  • タオル・食器の共有を避ける

  • 発症後2〜3日の調理を控える

  • 汚染衣類は熱湯消毒または漂白剤でのつけ置き


受診をおすすめするケース

  • 水分がとれず脱水が心配なとき

  • 嘔吐や下痢が続く

  • 発熱や倦怠感が強い

  • 高齢の方で食事・水分を摂取できない

  • 家族内で連続して症状が出ている


【みずの内科内視鏡クリニック】

所在地:名古屋市北区志賀町4-67-2
電話番号:052-991-1855 (木曜日を除く平日13-15時でご予約を承ります)
Web予約(24時間受付)こちらから
公式サイトhttps://mizuno-naishikyo.jp/

診療時間

  • 月〜水・金:7:30〜16:30

  • 土・日:7:30〜11:30   (日曜日は完全予約制、 WEB予約から当日予約も可能性です)

  • (胃カメラ・大腸カメラにも対応)
    ※木曜日は休診です。

来院時マスク着用のお願い

発熱やのどの痛みなど、かぜ症状がある場合は来院時マスクの着用をお願いします。